「ママにあげる」と渡された道ばたの花、捨てずに飾って残すには
保育園の帰り道、「ママにあげる」と小さな手から渡された道ばたの花。
家に着くころにはくったりしていて、捨てるに捨てられず困ったことはありませんか。
元フラワーデザイナーで2児の母の花村ななこです。
しおれた花も、帰ってすぐの5分の手当てで持ち直すことがよくあります。
この記事では、飾る前に確かめたい毒のある草花と、短い花を小さなうつわで飾るコツ、押し花での残し方をお話しします。
飾る前に、家に入れていい花かを見ます
花をもらうと、ついそのままコップに入れたくなりますよね。
ただ、子どもが手に取りやすい道ばたや公園の植物には、毒のあるものも混ざっています。
私も、下の子が赤い花を握って帰ってきた日に「これ、ヒガンバナだ」と気づいて、あわてて手を洗わせたことがあります。
それ以来、飾る前にひと目だけ確かめるようになりました。
秋から冬にかけて気をつけたい5つの草花
ウェザーニュースの秋の有毒植物の記事と、厚生労働省の自然毒のリスクプロファイルをもとに、子どもが手にしそうなものを表にしました。
| 植物 | 見かける時期 | 目印 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|---|
| ヒガンバナ | 秋 | 葉のない茎の先に赤い花が輪になって咲く | 毒のある植物として広く知られている |
| スイセン | 冬〜春 | ニラに似た細長い葉 | 葉と球根に毒がある |
| ヨウシュヤマゴボウ | 秋 | 赤みのある茎に、ぶどうの房のような黒い実 | 実と根に毒がある |
| キョウチクトウ | 公園や緑地で一年中 | 細長く硬い葉をつけた木 | 葉や枝、根に毒があり、枯れた枝葉も危ない |
| ランタナ | 花は5〜10月 | 小さな花が丸く集まり、花のあとに小さな実 | 実の種に毒があり、緑の実は特に注意 |
ヨウシュヤマゴボウの実は色がきれいなので、ままごとや色水遊びに使いたくなるかもしれません。
見かけたら「この実は使わないでね」と先に伝えておくと安心です。
名前が分からない花は、無理に飾らなくて大丈夫です。
スマホの画像検索で当たりをつけることはできますが、それだけで安全だと決めてしまわないようにしています。
毒のある花だったら、写真に撮って手を洗います
表にある花を渡されたときも、まずは「ありがとう」と受け取ります。
そのうえで「さわると体に悪いことがある花だから、写真にしてとっておこうね」と伝えて、一緒に1枚撮ります。
撮り終えたら、花は袋に入れて子どもの手が届かないごみ箱へ。
親子とも、せっけんで手を洗えばおしまいです。
写真はちゃんと残るので、下の子も納得してくれました。
口に入れてしまったときの連絡先
受診したほうがいいのか迷ったら、日本中毒情報センターの中毒110番に相談できます。
一般向けの電話は365日24時間つながり、情報提供料は無料です。
- 大阪中毒110番:072-727-2499
- つくば中毒110番:029-852-9999
電話では何をどれくらい口にしたかを聞かれるので、花を捨てずに取っておくか、写真を撮っておくと説明しやすくなります。
ぐったりしている、けいれんしているといった様子があれば、迷わず119番に電話してください。
帰ってすぐの5分で、しおれた花は持ち直します
道ばたの花がすぐにくったりするのは、子どもの手の中で温められながら、水を吸えない時間が続くからです。
水を吸える状態に戻してあげれば、思った以上に顔を上げてくれます。
茎の先を水の中で切り直します
洗面器やボウルに水を張り、茎の先を沈めたまま、1cmほど斜めに切ります。
水の中で切ると、茎の中の管に空気が入りにくくなり、水を吸い上げやすくなるからです。
はさみは、キッチンばさみで十分です。
茎をつぶさないよう、切れ味のいいものを選んでください。
水につかる葉を落として、深めの水で休ませます
水につかる葉は、手で取ってしまいます。
葉が水の中で傷むと、水が濁って花の持ちが悪くなるためです。
コップに深めに水を張って茎を立てたら、2〜3時間ほど涼しい場所で休ませます。
夕食の準備をしているあいだに、ぐったりしていた茎が起き上がってくることもあります。
直射日光とエアコンの風が当たらない場所なら、どこでもかまいません。
子どもが持ってきやすい花の小さなクセ
道ばたの花には、それぞれ扱いのコツがあります。
わが家によく届く花だと、こんな感じです。
- コスモスは茎が細く折れやすいので、切り直すときにやさしく持つ
- タンポポは茎から白い汁が出るので、服につかないように気をつける
- タンポポはもともと夜に閉じる花なので、夕方に閉じても枯れたとは限らない
- シロツメクサは茎が短くなりがちなので、次に紹介する小皿に浮かべる飾り方が合う
- エノコログサ(ねこじゃらし)は、そのまま瓶に挿しておくだけでも形が残りやすい
飾ったあとは、できれば毎日水を替えて、そのときに茎の先も少し切り直します。
切り花全般の手入れは、花を長持ちさせる5つの秘訣にもまとめています。
コップのままで終わらせない、小さな花の飾り方
フラワーデザイナーをしていたころ、花が映えるかどうかは、花そのものよりもうつわと余白で決まると教わりました。
道ばたの花は、その違いがいちばん出やすい花です。
うつわは「小さすぎるかな」くらいがちょうどいい
コップや花瓶だと、短い茎では花がうつわの中に沈んでしまいます。
花の頭がふちから少し出るくらいの小さなものを探してみてください。
家にあるものでは、次のあたりが使いやすいです。
- ジャムやプリンの空き瓶
- しょうゆ差しや調味料の小瓶
- おちょこや卵カップ
- 洗ったヨーグルトのガラス容器
1つにまとめず、1本ずつ分けて並べます
数本もらったときこそ、まとめて挿さずに小瓶を2〜3個に分けます。
1本ずつにすると、1本では小さく見える花の形がちゃんと目に入るようになるんです。
瓶の高さをそろえず、少し間をあけて並べると、それだけで整って見えます。
小さなお盆やトレーにまとめておけば、水替えのときもお盆ごと運べてラクですよ。
短い花は、小皿に水を張って浮かべます
茎がほとんどない花や、途中で折れてしまった花は、花のすぐ下で切って水に浮かべます。
白い小皿や深めのお茶碗を使うと、花の色がよく見えます。
茎で水を吸い上げられないぶん、長くても1〜2日と見ておいてください。
そのぶん、朝の食卓に置いておくと、子どもが「あっ、昨日の花」と気づいてくれます。
本人の目に入り、下の子の手は届かない場所に置きます
置き場所でいちばん喜ばれたのは、くれた本人が毎日見る場所でした。
わが家の場合は、食卓の端か洗面所の棚です。
ただ、下のお子さんがなんでも口に入れる時期なら、手の届かない棚の上にしてください。
小さな瓶は倒れやすいので、ガラスより割れにくいホーローやプラスチックを選ぶのも手です。
長くは飾れない花は、押し花にして残します
飾れるのは長くても数日で、そのあとの「捨てるタイミング」がいちばん気まずいですよね。
私は、これは残したいと思った1本だけを、元気なうちに押し花にすることにしています。
全部を残そうとすると続かないので、1回につき1本で十分です。
押し花に向く花、むずかしい花
押し花に向くのは、薄くて水分が抜けやすい花です。
逆に、厚みがあったり水分が多かったりする花は、失敗しやすくなります。
| 分類 | 花の例 | 扱い方 |
|---|---|---|
| 向いている | スミレ、ビオラ、シロツメクサ、小さな葉 | そのまま挟む |
| 少し工夫がいる | コスモス、小さなキク | 花びらが重ならないように広げる |
| むずかしい | タンポポ、アサガオ | 失敗しやすいので写真も撮っておく |
本とティッシュがあれば始められます
特別な道具はいりません。
手順は次のとおりです。
- 花についた土や小さな虫を、そっと払う
- ティッシュかキッチンペーパーに花を広げて置き、上にももう1枚重ねる
- 汚れてもいい厚い本に挟み、上から別の本を重しにする
- 半日から1日おきに紙を替える
- 薄い花なら2〜5日ほど、触ってパリッとしていたら完成
紙をこまめに替えるほど水分が早く抜けて、色がきれいに残ります。
逆に放っておくと茶色くなりやすいので、ここだけは少しだけがんばりましょう。
日付と、その日の言葉を書いておきます
できあがった押し花は、厚めの紙やカードに少量の木工用ボンドで貼ります。
そこに日付と、渡してくれたときの言葉を書いておきます。
上の子が年中のときのカードには「ママにあげる、おはなやさんのおはな」と書いてあります。
小学2年生になった本人に見せたら、まったく覚えていませんでした。
それでも私は、この1枚を手放せずにいます。
光と湿気で色があせていくので、透明のポケットファイルに入れて、引き出しにしまっておくのがおすすめです。
次に摘むときの、親子の約束
かわいい花束でも、摘んではいけない場所のものだと、受け取るほうも少し困ってしまいます。
叱らずにすむよう、わが家では先に約束を決めています。
公園の花は、摘んではいけないことがあります
公園の草花は、自由に摘んでいいとは限りません。
たとえば神奈川県の県立都市公園では、許可なく植物を採取することが条例で禁じられています。
同じような決まりを置いている自治体は他にもあるので、お住まいの地域の公園のルールを一度見ておくと安心です。
花壇の花だけでなく、芝生の小さな花でも、持ち帰る前に看板を確かめましょう。
分からないときは、摘まずに写真に撮るのがいちばんです。
よその庭や畑の花は、見るだけにします
庭先や畑の花は、誰かが育てている花です。
道路にはみ出して咲いていても、子どもには区別がつきません。
「これは誰かのお花かな?」と聞くようにすると、だんだん自分で考えるようになります。
「摘まずに持ち帰る」遊びも用意しておきます
花を摘むことより、「ママに何か渡したい」という気持ちのほうが、子どもにとっては大事なようです。
摘まなくていい選択肢を、次のように用意しておくと喜んでくれます。
- どんぐりや松ぼっくりを拾う
- 色がきれいな落ち葉を1枚だけ選ぶ
- 花の前で写真を撮って、夕食のときに見せ合う
落ちているものでも持ち帰りを断っている場所はあるので、看板は見ておきましょう。
拾ったものは、どれも帰ったらまず手を洗うところまでがセットです。
道ばたの地面は思ったより汚れているので、これは毎回声をかけています。
まとめ
「ママにあげる」と渡された花の扱い方を、順番に振り返ります。
- 飾る前に、毒のある草花でないか確かめる
- 帰ってすぐ、茎の先を水の中で切り直して2〜3時間休ませる
- 小さなうつわに1本ずつ分けるか、短い花は小皿に浮かべる
- 残したい1本だけ、元気なうちに押し花にする
- 公園やよその庭の花は摘まない約束を先にしておく
子どもが花をくれる時期は、振り返るとそう長くありません。
上の子はもう、花より友だちとの約束に夢中です。
しおれた1本を前に困っている今日のあなたも、5分だけ手をかけて、あとは気楽に飾ってみてくださいね。